料理屋に弟子入りしたけど秒でやめたくなった話

こんにちは、料理人のだいきっちゃんです

この話は、和食の料理人のわたし自身が修行をした割烹料理店での経験を元に構成されているノンフィクションです。

料理人という道を歩んだ人必見です

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はじめの3日はちょろい

一週間も経たないうちにやめていく新人なんて、ざらにいます。
そんなんばっかだから、はじめのうちの3日間の先輩たちの優しいことと言ったらそりゃもう・・・

って感じです。

調理場の世界では、きちんとポジションが決まっています。和食なら、親方が一番手で花板、続いて親方の隣で仕事をする脇板、主な味付けをする煮方、そして焼き方、揚げ方、その下に補佐的な動きをしたり雑用をする追い回し(小僧)。

大体こんな風に分けられます。洋食も似た感じ。

例えば、和食で脇板や煮方のポジションは「料理を作る仕事」の中心になるポジションなので、長い経験が必要になってきます。

そしてこれが、先輩方所謂アニキたちです。

これは調理場で仕事を覚えるにあたっての基本なんですけど、料理の仕事を覚えるためには自分の仕事をこなしながら先輩たちの手伝いをし、先輩のやっている仕事を覚えて行きます。

ただでさえ自分の仕事(初日から激務を与えられる)に追われながら、先輩たちの仕事を補佐するんですから忙しいです。

でも、そこに後輩がいれば、自分の仕事を後輩に分けれるから助かるんですよね。

新人が入れば特にそれまで追い回しで雑用だった小僧さんは、「やっと料理ができるポジションにつける」となるわけです。

だから始めは優しいですよ。めちゃくちゃ優しいです。

美味しいまかないも作ってくれるし、気遣ってご飯のおかわりをよそってくれたり。

だって、いよいよ料理の仕事ができるんですから!

運が悪ければ3年間ずっと追い回しの人もいるわけです。(何を隠そう僕です。)

毎年、新人がやめていっちゃうんですよ・・・

できる後輩が入ってきた時はそりゃ可愛がりました。

 

今でも思い出す、濃厚な日々

ここで、入りたての小僧だった時の僕の過ごし方をご覧に入れましょう。

小僧の一日
  • 7:30am ・・・昼用の米とぎ(ビジネスランチ用に三升)を皮切りに、ランチの仕込みを始める。(ランチは定食で、安く提供してたので毎日行列。)
  • 10:00am・・・市場から来た食材を検品、仕分け、ランチの仕込みと食材の下処理を始める。(ランチの仕込みが終わってれば、先輩の仕事を手伝える。)
  • 10:30am・・・買い出し。近所で仕入れる食材もあるので買い出しに行く。まかないの買い物も。(唯一外に出れる貴重な時間だった。)
  • 11:30am・・・ランチ営業開始。一瞬で満席。仕込みストップ。(戦争状態。店は活気付くが、厨房はピリピリしてくる。)
  • 14:00pm・・・ランチ終了。片付け後まかない。ランチ営業中にまかないを作るという無謀。まかない食ったら玄関、店舗、トイレ、厨房の掃除。(この間、先輩は仕込み)
  • 15:30pm・・・仕込みに戻る。せっせと仕込み。(先輩は段取りが良く、ほぼ仕込みは終わらせてコーヒー飲んでる。)
  • 16:00pm・・・奇跡的に仕込みが終われば休憩。しかしそれはあくまでも奇跡。(小僧のやる仕込みは下処理や細かい作業なのだが段取りが悪い。)
  • 16:30pm・・・仕込みほぼ完了。休憩に入る。(5分も休めたら嬉しかった。椅子に座って秒で寝落ちして2分ほど爆睡。)
  • 16:45pm・・・夜営業の準備。いつも満席。営業は当然戦争の如し。(客層が異なるので昼とは違う忙しさ。気を遣うからどっしり疲れる。)
  • 22:00pm・・・営業終了。片付け。その後親方の晩酌に寄り添う。(僕、酒が弱かったんで無理やり飲んでました。)
  • 23:00pm・・・自転車で帰路に着く。(ちょっと早く終わると先輩と近所に飲み言ってたなぁ。)
  • 1:00am・・・就寝。(帰っても料理の勉強したり、洗濯したりと忙しい。)

はぁ…はぁ…思い出しただけで疲労を感じる・・・・。まるで精神と時の部屋。

そしてお気づきだろうか?よ~~くご覧いただきたい。

 

休憩時間というのはほとんど無いのだ・・・

それに加え、休日出勤で練習や掃除をしていたので丸々の休日は3ヶ月に一回くらいだっただろうか?

俗に言う、ブラック企業。

でも当時、これは当たり前でした。というか、休日も練習や研究をしなければ到底料理の仕事なんて与えてもらえないから必死でした。

いわゆる、修行ですね。1日がすごく長く感じたし、辛かった。

『ブラック企業?そんなんどこもそうだろ?』くらいな感じで思ってました。

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圧倒的な基本技術と精神性が身に付くよ

正直、身体壊しました。寝不足、過労、精神的ストレス。

仕事内容は完全にブラック企業ですからね。

でも、あの経験がなければ今、美味しい料理なんて作れてないだろうなって思います。

自分の店を構えてみると(家業を継いだだけですが。)、めちゃくちゃ苦労しますもん。

自分を信じてお店を続けていくしかないところに、辛い修行の経験があると「大丈夫だ!」って思えて、またがんばれます。

修行中はくる日も来る日も散々怒鳴られて、親方もおかみさんも先輩にも「早くくたばっちまえ」とクソみたいな事思ってましたが、今思うと、怒っているのではなく愛の鞭で叱ってくれてたんだな。って思って心から感謝してます。

親方はよく「やるならやれ!それで絶対に逃げるなよ!ケンチャナヨ!」って酔っ払いながら吠えてました。

おかみさんは「一時が万事!しっかりやりなさい!」と叱ってくれました。それと「言われてるうちが花だよ。」とも。

現代って、「叱る」っていう事をしてくれる人が減ってきている気がします。自分をキツく律することができる人なら必要ないのですが、便利な物で溢れ、お金にも困らないからといって「堕落」した生活をしている人があまりにも多いのは、「叱られない」からというのも原因の1つだと思います。

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少し話がそれましたが、まぁよく叱られたのでちょっとやそっとの事言われても弾き返す事が容易になりますよ。

料理人は体が資本だから、ストレスで体調なんて崩してられないんです。

技術なんてものも、日々の積み重ねを繰り返すことが一番の近道ですから、地道に3年間も追い回しをしたのはラッキーだったかもしれないですね。

見た目にも美味しくて、行き届いている料理って、仕入れの段階、下ごしらえの段階からもう決まってきます。

そこを見落とさずにできるようになるには、やっぱり追い回しの仕事をきちんとやっていたからだと勝手に思っています。

仕事は常に見られている

仕事が休みの時、公園で寝そべったら、晴れた空に鳥が優雅に飛んでいました。

「あ~、いいな~、楽そうで。俺もいつか自由になるんだろうか?・・・」

と思ったあの景色は脳裏に焼きついて離れません。それくらいに大変でした。

でも、一生懸命やってると報われる日がくるもんです。

「おい、お前焼き場見てろ!」とか「こっち来て手伝え!」とか親方から直々に言われたりしてはりきったもんです。

そうやって、徐々に仕事を与えられるようになると、楽しくなるんですよね。

雑用ばかりだったんで、「あ~料理って楽しいんだなぁ。」ってなりました。

それから、どんどん仕事を振られるようになるんですよ。それで気付いたら、今まで苦労してた雑用仕事も、あっ!という間に片付けられるようになっていたんですよね。

きちんと見てくれているんだなぁって実感する出来事です。

大変なことの後には必ず良い事がある。っていう事を信じて仕事をするのが大切ですね!

終わりに

今の修行というのがどういう状況かは分かりませんが、きっと大変な思いをしている小僧さんも多いでしょう。でも、必ずその経験は宝物になります。

よく親方は「俺はこの仕事に命かけてんだよ!」って言ってました。だから言うことも熱が入ってましたし、毎日大繁盛でした。適当なお店じゃ得られない経験です。

おかげで、僕も自分のお店では「良い仕事してるねぇ。」「美味しくて幸せです。」「ありがとう。」とかって言われます。本当にありがたいことです。

でも僕からすると、「当たり前」な事を淡々と続けているだけで、そんな風に言ってもらえるのはもったいないくらいなんです。ただし、「当たり前に続けられる」と言うことは、親方やおかみさんに叱られて鍛えられたからできている事なんです。

「修行は必要ない」って以前ホリエモンが言ってましたけど、僕はそんな人の料理には「なんか奥深い」って言う味は出てこないと思います。

世の中の名店の大将や有名シェフって、厳しい修行を絶対的にこなしてきた人たちです。

「料理」と言う行為で人を喜ばせたいなら、避けては通れない先輩太刀と同じ土俵に立つんですから、気合い入れた方が身のためです。

何かを一生懸命やって、技術や知識を身につけると言うのは大変な事です。どんな職業でも下積みをやったかやらないかでは差のつき方が全然違うと思うので、頑張りましょう。

ピヨキチ
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